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御名神亭の業務日誌

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SS 『鬼哭麺』最終話 「鬼哭屋」

御名神亭の業務日誌

 広い『キッチンスタジアム』の中は、タオローが調理を続けている音と、審査員のラーメンを啜る音だけが響いていた。

 ギュゥ~ウゥン!ギュギュ ギュオオォォ~ン!!

 最初に…そして場違いなほどの大音量で鳴り響いたもの…何処からか取り出した、ウェストのエレキギターであった。

 「美味いのであ~る!伊勢海老やフカヒレの乗ったラーメンなど初めての快感であり、伝説の樹の下で大告白なので順番待ちなのであ~る!!」
 「五月蝿いロボ!

 ごすっ!

 客席から、ウェスト自身が作り上げたコックロイドエルザが現れ、肉叩きトンファー一閃

 「まったく!博士のせいで店の評判が落ちたらどうするロボ!」

 そのままウェストを担ぐと出口に向かってしまう…審査員、一人脱落…。
 その様子を見ていたアウグストゥスは、

 「まったく、だからあの程度の男に審査など荷が重いと言うのだ。ここは僭越ながら、この私が料理の審査におけるリアクションという物を見せてやる!

 おもむろに、会場中央にまで進むアウグストゥス。ラーメンを一口啜ると…。

 「う~ま~い~ぞ~!!」

 叫ぶと同時に、背後からスープの津波が現れ、スーツを脱ぎ去り飛び上がるアウグストゥスは…金粉でも塗ったくった様に全身金色で…何処から出たのかサーフボードに乗っていた

 「コクのあるスープは六種の素材を極限まで引き出し、スープの絡む細打ち縮れ麺の喉越しが心地良い…あぁ…このままラーメンの海に溺れてしまいたい…ぬぐぉ!

 つるっ、とスープの油でテカるサーフボードから落ち

 「ぁ~ぶらぁ~~!!

 そのまま、出口まで流されていった…審査員、二人目脱落…。

 「はっはっはっ!流石はアウグストゥス、愉快ではないか。なぁ、エセルドレーダよ。」
 「はい、マスターの仰せの通りです…。」

 …いつものどうりの二人であった…。
 そんなやり取りに、まったく気付かなかったようにリァノーンが一言。

 「まぁ、美味しい。スープに雑味が無いのに深いコク。素晴らしいですね。」
 「…いや、あなたも少しは気が付きなさいよ…。」
 「そうおっしゃる諸井女史も検電計の端子を箸にするのも如何なものかと思いますが?」
 「うるさいわよ、サイス氏。私の勝手でしょう?この針の動きを見なさい、確かに微量に蓄電されている…この麺を再現出来ればわが社の利益になるのよ。」
 「そうよ!このスープのサンプルを持ち帰ってレシピを再現して、どっかの企業にでも売り込めば…いい小遣い稼ぎになるじゃない。
 「Dr.都もですか。…研究熱心な事で…しかし、時には至福の味わいを楽しむのもよい物ですよ?」
 「はん!おっさんのたわ言に付き合ってられねぇなあ。…確かに美味いが、後に残ったのがくたばりぞこないじゃぁ面白くねぇ、暇つぶしになるかと思ったが、やっぱり俺は降りるぜ、じゃあな。」

 さっさと出口に向かうジェイ…審査員、三人目自ら降板。

 「…本当にこのメンバーで大丈夫なのでしょうか?ツェ・イーターさん?」

 心底、呆れた様に瑠璃が隣のツェに問いかける。

 「…まぁ、リアクション担当は致し方ありませんが…少なくとも、味にうるさい方達は残りましたので、このまま続行で問題無いと思いますが?」
 「…本当でしょうねぇ、もしこの企画が潰れたら…あなたにもそれなりの覚悟というものをしていただきますよ?」
 「、はい、それは勿論…。」

 少女とは言え、覇道財閥総帥の迫力に、ツェは言葉を濁すしかなかった。


 「お待ち…。熱いうちに食ってくれ…。」

 次にタオローのラーメンの試食なのだが…残った審査員達は、既にホージュンのラーメンを完食していた

 「…これ以上は…太るわよねぇ…。」
 「ええ…ちょっと胸焼けが…。」

 ホージュンは勝ちを確信していた。何故なら、審査員に女性がいるのならば最初の一杯でもう二杯目を食べる余裕は無い
 その為に、タオローより先にラーメンを出す必要があったのだ。勿論、その為にスープの配合を重めにしてもいた

 (ふっ、勝ったな…。)

 だが、タオローはそんなホージュンに気付きもせず

 「ともかく、一口だけでも食ってくれ。それで分かる。」
 「では、頂きます。」

 最初に口を付けたのはリァノーン。『給食鬼』たる彼女にはこの程度は何でもなかったのである

 「…まぁ、美味しい…。」

 まさに、至福の笑顔。それに釣られて、他の審査員も口を付ける。

 …麺を啜る音だけ響く中、ある者は至福の笑顔で、そしてある者は感動の涙を浮かべていた。
 結局、誰一人スープ一滴すら残さず完食。

 「「「「「ごちそうさまでした!」」」」」

 そして、いよいよ審査発表。審査員長の覇道瑠璃が勝者の名を名乗る。

 「勝者、コン・タオロー!」

 ワアアアアアアアアアアアァァァ…

 割れんばかりの拍手の中、ホージュンだけが異論を唱えた。

 「馬鹿な!何故この俺が負けねばならん!」
 「…見苦しいぞホージュン君。では、君も食ってみたまえ。」
 「ふん!ならば食ってやるさ!」

 ひったくるようにドンブリを奪うと一口…

 ホージュンの目から涙が溢れていた…。

 「くっ!完敗だタオローよ…。」
 「分かった様だな。君のように“勝つ”料理では、人は感動出来ない。何より“人を喜ばせよう”という料理こそが真に感動出来る料理なのだよ。
 …で、君には罰ゲームを兼ねて、『トシマ』に新店舗の立ち上げに行って貰う。『男の料理 ヴィスキオ』を壊滅させるまでは帰って来れないのでそのつもりで…。」
 「ま、待て!俺はあんな男だらけの場所になど行きたく無いぞ!止めっ!うわっ…」

 ホージュンはツェの隠し持っていたスタンガンで気絶し、そのまま連れて行かれた…。

 「おい…。」
 「まぁ、あれしきで死ぬ男じゃ無いよ。さて、君への副賞だが…『青雲飯店アーカム二号店』を改装…。」
 「俺は何も要らない、ルイリーと共にこの街を出て行く…。」

 会場を立ち去ろうとするタオローをツェは呼び止める。

 「あ~、ルイリー君なら…ホレ、あそこに…。」
 「なっ!!」

 見れば会場の端から、ルイリーと…ルイリーの魂の欠片が入っていたガイノイド達が、此方に向かって一緒に歩いてきた。

 「兄様。」 「あにさま。」 「兄貴。」 「兄さん。」 「お兄ちゃん。」 「兄君。」

 「な、な、な!」
 「いや~、『魂の量子化』で分割され、再び統一して復元したルイリー君だがな…。再統合した時に君が壊したガイノイド達を回収、修復して『精神の電子化』でそれぞれにコピーしたら…少々ノイズが乗ってしまってなぁ…まぁ、オマケとして君にプレゼントしよう。それで、これだ!」

 えらく軽い口調でとんでもない事をサラっと言うツェが、更に垂れ幕を引っ張ると…

 『鬼哭屋』

 と、書かれた看板であった。

 「なぁ、タオロー君、せっかくの腕が勿体無いでは無いかね?で、話の続きだが、二号店を改装して、人員もルイリー君のコピーがこれだけ要れば大丈夫だろう?一週間も有れば新装開店出来るぞ。良かったなぁ。あぁ、そうそう、改装費もこちらで負担するから、後、家賃は…。」

 そう言いつつ、電卓をはじくツェ。

 「兄様、頑張りましょうね。」 「がんばろー!」 「やろうぜ!」 「うれしいです。」 「わは~い!」 「楽しみぃ~!」

 “ルイリー達”は楽しそうだった。ワナワナと震えながら少しずつ理解していくタオロー…。

 
 この街の名はアーカムシティー。『食の大黄金時代にして、大暗黒時代にして、大混乱時代。』こうして、新たなる名店が誕生した。
 その名は『鬼哭屋』食の鬼達すら慟哭すると言う、美味いラーメンを出す店。


 「そんなの有りか~~~~!!」    (鬼哭麺 了。)
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Comment

[49] あとがき?
 ようやく『鬼哭麺』終わりました。何とか3月の強化月間中に。
 ぶっちゃけ、文章力の無さと、勢いで始めたので辻褄が合わない所もあるかと思いますが、楽しんでいただければ幸いですm(_ _)m

 …って、実はちょこっとだけ外伝と言うか、オチというか…七話書いてるうちに思いついちゃったのがあるのですが…(苦笑

 さぁて、次の企画と放置のあの人の方も…。

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水上雷太

Author:水上雷太
『水上雷太』
 「全スポ会会長」
 「御名神亭やとわれ店長」
 「サイト管理人」
 様々な“自称”を使い分ける男。ぶっちゃけ三十路ヲタ(ぷ

 ブログ開設4年目に突入し、何を血迷ったかサイトまで開設する。 どこまで突き進む気だ?

『御剣みこと&ほむら』
 御名神亭の店員。双子の姉妹。
 一見中○生並のコンパクトボディだが18才以上(笑
 一人称が「ボク」と「オレ」だが女の子。
 ほむらはふた○りだが女の子!

『Dr.ノーザンウェスト』
 御名神亭に住み着く、謎の「萌え学」講師。
 某キ○○イ博士に似ているのはただの噂(笑
『ワイルド=エルザ』
 通称「ワルザ」Dr.が某所から設計図を入手して作り上げたモエロイド。
 語尾はお約束の「ロボ。」(笑

 ここは、上記メンバーでお送りするエンターテイメントサイトである。

 リンク&アンリンクはフリーです。ご一報頂けると、リンクを貼り返します(笑





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